岸井戯曲を上演する in OSAKA #0
同じ戯曲を、違う時代や国の人がやっているのは、よく考えると不思議なことです。それぞれ大事にしているものも違うでしょう。けれどきっと、同じ戯曲をやった同士は、深い、複雑な、本人の思考や志向や嗜好が変わってしまうような話しができると思うのです。分断が進み、対話が難しくなっていく地球を眺めながら、劇作家であることの責任を感じます。
岸井戯曲を上演する、は、横浜のblanClassで2016年9月ー7月に毎月行われました。毎月、何組かの演劇・美術・ダンス・音楽など異ジャンルの人が僕の同じ戯曲をそれぞれで演出上演し、終演後話し合う、という企画でした。対話の場として戯曲をとらえたとき、それぞれの上演が、お互いに許せない、まったく面白くないと思えるほど違うことが重要だと僕は思います。
大阪でも同じことをやってみたい、と伊藤拓也さんに相談しました。大阪で、「面白くないのがいい」は通らないだろうなあ、と思いながら。ご来場いただき、それぞれに立ち会って、良いとか悪いとか思っていただければなあと思います。
岸井大輔
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